美味しそうなものがあるぞ
写真1
[写真1]

うぬぬぬ・・・
写真2
[写真2]

にょ~んっ
写真3
[写真3]

もぐもぐもぐ
写真4
[写真4]

という感じでナンキンハゼの葉っぱを美味しそうに食べる鹿ちゃん(9月上旬の撮影)。このように立ち上がって植物を食べる様子は過去記事でも何度か取り上げた通り(立ち食い鹿)で、取り立てて珍しことではないのですが、食べているのがナンキンハゼという点が、ちょっと不思議です。

というのも、ナンキンハゼは本来、ニホンシカの不嗜好植物で(参照:一般財団法人奈良の鹿愛護会 のページ)、そのため奈良公園一帯では近年どんどん勢力を拡大しており、ちょっとした問題になってきている植物だからです。

写真5
[写真5]

こちらは東大寺東塔跡の辺りで撮った写真ですが、鹿の背丈ほどの植物が群生しているのが分かるかと思います。

写真6
[写真6]

これらはナンキンハゼの若木で、このように鹿は木の間にある芝生を食むものの、ナンキンハゼには目もくれません。これが奈良公園一帯でよく見かける光景です。

写真7
[写真7]

ところが、写真1~4を撮影した飛火野の御手洗川周辺に植わっているナンキンハゼの周りには若木が全く見られず、しかもあのようにナンキンハゼを食べる鹿もいる。

写真8
[写真8]

たまにこのように、ナンキンハゼの種をポリポリと食べる鹿もいます。

ということは、飛火野の鹿たちは他のエリアと違ってナンキンハゼを食べる個体が多いのか? と考えたくなりますが・・・

ナンキンハゼの若木と鹿
写真9
[写真9]

こちらは写真1~4のナンキンハゼのほど近く、飛火野にある他のナンキンハゼの木の根元です(7月下旬の撮影)。

このように、この鹿はナンキンハゼに見向きもせず、木陰を提供してくれたり、身を隠すためのものとしか認識していない模様。

写真10
[写真10]

これは写真9と同じ場所を10月上旬に撮影したものです。沢山の若木が綺麗さっぱり無くなっていました。

恐らくですが、春日大社の方か、その委託を受けた人(業者か奈良公園室などの県の職員?)が伐採したのかも。

食欲旺盛な鹿たちが、あれだけの大きさになるまで放置しておいて、そしてまるで収穫するかのようなタイミングで食べていく・・・などとは考えられないですしね(笑)

例えば一般的に不嗜好植物であるとされるシダ系植物も、奈良公園の鹿たちは食べることがあります(参照:子鹿(バンビ)物語2012 vol.23 若草山の子鹿ちゃん)。

ですが、あまり好んで食べるというわけではなく、食べるものが他に無いから食べる(背に腹は代えられない)という感じみたいで、シダ系植物は依然として奈良公園内の至る所で見ることができます。

というわけで、飛火野には他のエリアよりもより目立つ形でナンキンハゼを食する鹿の個体が複数いるけれども、それはあくまで少数派であって、ナンキンハゼ(の若木や芽、種)を食べ尽すほどではないというのが現状ではないかなと、私は考えています。

ということは、奈良公園に比べると飛火野では職員さん等が手入れをしている風景をあまり見かけないんですが(あくまで私があまり見かけないという話)、要所要所でちゃんと手を入れてらっしゃるという事なんですね。

今後、ナンキンハゼを食べる鹿が増えてくれば、今問題になっている奈良公園界隈でのナンキンハゼの勢力拡大に待ったがかかるかもしれないですが、そういう雰囲気も今のところないですし、なにより、当の鹿がこんなの食べちゃって体を壊さないのかがちょっと心配です(笑)

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