今シーズンも平城宮跡でのカノープスの撮影に挑戦しました。

昨シーズンのカノープス撮影の記録は次の記事で見られます。

平城宮跡からカノープスを見る
http://naraphoto.blog.jp/archives/2302924.html
奈良公園で星見 vol.10 飛火野でカノープスを見る
http://naraphoto.blog.jp/archives/2302916.html

大阪・通天閣の寿老人
画像1
[画像1]

いきなりなんだと思われるかもしれませんが(笑)、Wikipedia の寿老人の項目を読むと

寿老人(じゅろうじん)は道教の神仙(神)。中国の伝説上の人物。南極老人星(カノープス)の化身とされる。七福神の一柱。

とあります。

というわけで、カノープスという星は、西日本の太平洋側や沖縄などを除き日本からはなかなか見ることができない星ではありますが、実は日本人にとっても割と身近な存在であるといえるのではないでしょうか。

で、上記リンク先にも書かれていますが、この寿老人はオス鹿を連れているんですよね。なので思わず撮ってしまいました(笑)

ちなみにこの写真の左に写っているのは日本一高いビルであるアベノハルカスです。

その他、カノープスに関しては下記リンク先を参照してください。

カノープス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%B9
【特集】カノープスを見よう(2014年)
http://www.astroarts.co.jp/special/2014canopus/index-j.shtml
カノープスを見つけよう -つるちゃんのプラネタリウム
http://homepage2.nifty.com/turupura/month/02canopus/menu.html

今年も説明はほぼ丸投げですが、昨年よりもリンク先を増やしましたよ(笑)

ではまず、2/24 撮影の画像から。

カノープスと朱雀門
画像2
[画像2]

02月24日20時00分41秒の撮影。
この日のカノープスの南中時刻は 20時04分ごろですから、ほぼそれと同等の高度(3.19度)の時の撮影です。

300mm相当の画角(35mm換算。以下同じ)で撮影し、少しトリミングしています。

朱雀門の真上に淡い赤い点が写っているのがお分かりになるでしょうか。

この日はよく晴れていたのですが、霞がとても酷く、肉眼でカノープスを確認することはもちろんできず、現地では撮影後に画像を拡大して見ることでようやく確認できるというレベルでした。

星の写りを優先するために朱雀門が露出オーバー目になるくらいの設定(F10、SS 10sec、ISO 320)で撮り、更に Raw 現像時にトーンカーブを調整しカノープスの光点を目立つようにして、ようやくこのレベルの見え方です。

昨年平城宮跡で撮影した時も霞が酷かったのですが、これよりは大分マシでした。

朱雀門とカノープスの光跡
画像3
[画像3]

どうにか写ったので撮影を続行し、比較明合成したのがこの画像です。

朱雀門の上を弧を描いて通過していくカノープスの光跡が分かりますか?
(右上に見えている2本の光跡は飛行機のものです)

機材トラブルもあって若干ブレてしまったので、朱雀門がちょっとぼやけてしまいました。

2/24 撮影分は以上。

これとは対照的にとてもクリアに星が見えたのが 3/3 です。

朱雀門とカノープス、その他の星々
写真1
[画像4]
(画像をクリックで拡大)

03月03日18時44分43秒に撮影。
F5.6、SS 8秒、ISO 400、90mm相当の画角。

昨年のエントリーではカノープス(りゅうこつ座α星)しか写すことができず、他の星との位置関係から特定することができなかったので、その問題をクリアできる写真を撮る事が、今回の撮影目的のひとつとなりました。

そのためにできるだけ沢山の星を写したかったので、朱雀門はあえて露出オーバー気味にしています(朱雀門の北側から撮影したとわかりさえすればいい)。

その結果、南の空とはいえ、天文薄明のまだ終わっていない時間帯でも、カノープスとその他の星々の位置関係を特定するに足るだけの数の星を写すことができました。
それだけこの日の大気の透明度が高く、星を見るにはいい条件だったということですね。

ちなみにこの時点ではカノープスを肉眼で確認することはできませんでした。

この日の奈良市におけるおおよその各種データは以下の通り。

太陽関連
日の入 17時54分
天文薄明 19時17分まで
カノープス
高度(°) 時刻 方位角(°)
2.00 18時30分 170
3.00 19時10分 176
3.19(南中) 19時37分 180
3.00 20時04分 184
2.00 20時43分 190

画像5
[画像5]
(画像をクリックで拡大)

「Stellarium」というプラネタリウムソフトで画像4と同時刻の星の配置を表示してみました。
これはそのスクリーンショットです。
(今回の記事を書くにあたって使用したソフトとそのリンクの一覧は、この記事の末尾に記載しました)

カノープスと朱雀門
画像6
[画像6]

03月03日19時33分53秒の撮影。
300mm相当の画角でノートリミング。

ちょうど朱雀門の真上に来た時のショット。
・・・ですが、これは南中時刻の写真ではありません。
今年の撮影位置も、昨年同様、朱雀門の真北からは少しズレていた模様。

正直、目測で真北にセッティングするのは至難の業だと思う(笑)
もし良い方法をご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
300mmだと画角が狭いので、ちょっとしたことで誤差がとても大きくなるんですよね。

それはともかく 2/24 撮影分とは異なり、ライトアップ中の朱雀門を露出オーバーさせることなく、カノープスをとてもクッキリ写すことができました。
Raw現像時にもホワイトバランス以外弄っていません。

南中時刻のカノープスと朱雀門
画像7
[画像7]

03月03日19時37分08秒の撮影。
同じく300mm相当の画角でノートリミング。

カノープスの上の空間がちょっと大きいと思うんですが、実は撮影時に朱雀門に近づきすぎていました。
本当はもう少し上をカノープス(の光跡)が通過していくように撮るつもりでした。

この辺、次のチャンス(たぶん来シーズン)への宿題となりました。

画像8
[画像8]

10秒×100枚(16分40秒)の比較明合成。
300mm相当の画角で撮影しトリミング。
画像6と7を含んでいます。

本当は朱雀門を弧で覆うように写したかったんですが、撮影を始めた時に朱雀門に近づきすぎていたせいで、カノープスが朱雀門の後ろを通過してしまうことがライブビュー越しに分かったので、急きょ撮影場所を変えたりなんだかんだやっていたらこのようになってしまいました・・・。

せっかくコンディションが最高だったのに痛恨のミス。

慌てたせいでピントも少し外しちゃいましたしね。

これも次の撮影時の宿題です。

朱雀門と南の空
画像9
[画像9]
(画像をクリックで拡大)

03月03日20時03分16秒の撮影。
F8、SS 10秒、ISO 250、72mm相当の画角。
レンズを変えて中望遠域にして撮影してみました。

各星の配置を次の画像で改めて確認してみましょう。

写真2
[画像10]
(画像をクリックで拡大)

この時のカノープスの高度は 3.01度。
この3度前後の高度を維持していた時間帯は、肉眼でも容易に確認できました。

昨シーズン、飛火野では肉眼でカノープスを観測したことが数回あったのですが、南に市街地の広がっている平城宮跡では無理なんじゃないかと思っていました。

ですが、この日は朱雀門の上に浮かぶカノープスを肉眼で確認できました。

というわけで、奈良市の平野部でも大気の透明度や気象条件が整えば、カノープスの観測はそれほど難しくはないといえそうです。
(もちろん近くに明るい光源があるような場所では肉眼での観測が難しくなるのはいうまでもありません)

画像11
[画像11]
(画像をクリックで拡大)

こちらも Stellarium で同時刻の星の配置のスクリーンショットをとってみました。
これで改めて分かると思いますが、今回撮ったのは間違いなくカノープスです(笑)

そしてこれによるとカノープスは大気などの影響で見た目の明るさが 2.52 等級まで減光するとされていますが、これは こぐま座 の 北極星 や コカブ(Kocab) と似たような明るさです。

とても明るい木星や金星やシリウスのように、意識しなくても目に入ってくる明るさではないですが、意識して探せば比較的容易に見つけられる明るさという感じでしょうか(平城宮跡からの星見の場合)。

この日のカノープスもまさにそういう見え方でした。

カノープスの高度(3度ほど)についても、平城宮跡から見た生駒山山頂の鉄塔群と同じぐらいの高さですので、当初思っていたほど地平線スレスレではないんだなという印象です。

画像12
[画像12]
(画像をクリックで拡大)

10秒×57枚(9分30秒)の比較明合成。
72mm相当の画角で撮影し、ノートリミング。
画像9を含んでいます。

300mm相当の画角で撮っていた時よりも飛行機の光跡が入りやすくなってしまうのが残念ですが、まあしょうがないですね。

というわけで、以上です。

今回の記事を作成するにあたって参照したソフト
ソフト名 用途
Stellarium 恒星名、光度、スクリーンショット
天体の高度方位計算 カノープスの高度、方位角
つるちゃんのプラネタリウム 日の入、天文薄明の時刻

※他の天体写真は「天体写真」タグからどうぞ。

※2015/02/10 「平城宮跡からカノープスを見る2014」から改題

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