ネオワイズ彗星(C/2020 F3(NEOWISE))
[写真1]
2020/07/19、奈良公園で撮影。
梅雨空に阻まれ続けながらも少しでも可能性がある日は奈良公園へ足を運び続けてやっと観測することが出来ました。
彗星の詳細については国立天文台のページを参照してください。
- (速報)ネオワイズ彗星が明るい(2020年7月) | 国立天文台(NAOJ)
- https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/07-topics05.html
既に見ごろのピークを過ぎているのと、観測できた時間帯がまだ天文薄明中で空が明るかったという事もあり、期待していたほど見事な姿ではなかったのですが、出かけても出かけても見られない日々が続いていたので、この姿を見られただけである程度満足してしまいました(笑)
例年なら梅雨時とはいえど晴れる日は数日ぐらいあるものですが、ご存じのように今年に限っては全国的(北海道など一部を除く)にずっと雨または曇り。恨めしい気持ちはありますが、贅沢は言えません。
撮影データ
[写真2]
200mmの画角(35mm換算)、F4、5秒、ISO640で撮影しノートリミング。現像時にコントラストを上げています。撮影時の彗星の仰角は19度ほど。
右上に向かって尾が伸びているのがお分かりいただけるでしょうか。空が暗くなってから撮影出来たら、もう少し綺麗な尾が撮れたと思います。
ですがこの写真を見てわかる通り近くに薄雲が迫ってきており、このあと彗星の辺りを覆ってしまったので、これ以上クリアな撮像を得るのは無理でした(ライブビュー上で姿を確認するのは可能でしたが)。
ちなみに彗星の下の3つの星の名前とカッコ内にその光度を記しておきました。これから察するに彗星の光度は3~4等程度でしょうか。
なお、このネオワイズ彗星は肉眼では見られませんでした。観測には双眼鏡やカメラが必要です。今であればちょうど北斗七星の真下あたりに位置しています。北西の視界が開けているところであれば、山に登らなくても問題ないです。街灯りが少ない方が良いのは確かですが。
[写真3]
写真1の16秒後のカットをトリミングしました。こうして見ると尾は結構見えている。
ピントが少し甘いのが気になるんですが、こういう薄明の時間帯にあまり明るくない天体にピントを合わせるのは難しい・・・。
Stellariumでのシミュレート
[写真4]
(画像をクリックで拡大)
Stellariumでの光度予想は9等台なんですよね(予測のもとになったデータが古いのかも知れない)。この彗星が発見された当時、天文ファンの間でもそれほど注目度が高かったわけではなく、騒がれてもいなかったのですが、あれよあれよという間に明るく、そして見事な尾をたなびかせるようになりました。「彗星のごとく現れる」とはまさにこのことですね。
北半球ではほんとに久々の大物になったのですが、この梅雨空が返す返すも残念です。
まだ数日は天気次第でチャンスはあるのでチャレンジしたいと思います。
ちなみにこのブログでは彗星の撮影は5回目です。過去記事は「彗星」から。
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