画像1
[画像1]

前回の天王星に続き、今回は海王星を撮影してみました。

天王星は約6等級で、肉眼で見るのは難しくても、写真に撮るのは割と容易な部類であるのに対して、海王星はさらに暗い約8等級ですので、ある程度しっかり露出をかけてやらないと写りません。

但し過去の撮影経験からして8~9等級の星は撮影可能だということも分かっていたので、その点はかなり楽観視していました。

問題は、海王星をどうやって画角内に入れるかです。あくまで私のカメラの場合ですが、8等級の星を液晶モニターで直接確認するのは撮影前後を通じてほぼ不可能だから。

そうなると、この星とこの星が入っていれば海王星も画角内にあるはず・・・という目星(文字度通り”星”ですね(笑))を付けて撮影するのが一番無難というわけで、そうすることにしました。

で、説明が遅れましたが、この1枚目の写真は 2014年10月15日21時59分に撮影したものです。

本番の撮影は奈良公園内のどこかで行うつもりでしたが、その事前テストとして自宅近くから撮影したもの。

どういう星が写っているかは下記の画像で確認します。

説明入り
画像2
[画像2]

撮影データはSS15秒、F5.6、ISO500で、90mm相当の画角(フルサイズ換算、以下同じ)。

肝心の海王星はみずがめ座σ(4.82等)の近くにいるはずですが・・・。まあ等倍で確認するとそれっぽいものは写ってはいるんですが、確信できるほどの写りではありませんでした。

目標はみずがめ座σ付近を300mm相当の画角で撮影すること。そうすれば海王星も写りこむ可能性が高いはずです。

ですが、この時肉眼およびライブビュー上ではっきりと見えていたのは1等星のフォーマルハウトのみなので、ここを起点にみずがめ座σの位置を探ることになります。

一番確実なのは、一旦フォーマルハウトを画角内に捉え、その後にレンズを少し上に向けてみずがめ座86、89、88の辺りを写し、更にみずがめ座δ、77のあたり、次に71、69、そして最終的にσの辺りへ到達・・・という地道な作業をすることですね(もっともこの間にも日周運動によって星はどんどん移動していきます)。

とまあ、ここまではまじめに語っていますが、大ざっぱにいうとフォーマルハウトのちょい右上を狙って、微調整しつつ何度かシャッターを切れば写るんじゃね~の? という話です(笑)

ただその場合でも、いったんフォーマルハウトなどの目印になる星が写るようにカメラをセットして、それを起点にしてフレーミングを変更するという作業は、精度を上げるためには最低限必要になってきます。

画像3
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(画像をクリックで拡大)

画像1撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)。

みずがめ座σ付近
画像4
[画像4]
(画像をクリックで拡大)

2014年10月18日18時50分の撮影。SS10秒、F5.6、ISO500、300mm相当の画角。

というわけで撮影本番です。

撮影は少しでも暗い場所のほうがいいかと思い、若草山に行ったついでに暗くなる時間帯まで麓で待機し、御蓋山越しに撮影しました。雲はなく、大気も割と澄んでいて、良いコンディションだったと思います。

自宅近くでのテスト撮影時とは異なり少し早い時間帯の撮影だったので、ターゲットとなるみずがめ座σはフォーマルハウトの少し左上あたりにあるはずです(この位置関係は画像7で確認できます)。

この日もまずフォーマルハウトを撮影し、そこからやや左上にレンズを向けて、ここか!? この辺か!? ここがエエのんか!?(違)と呟きながら数枚撮影したうちの1枚がこれです。

さて、海王星はどこに写っているでしょう。次の画像で確認です。

説明入り
画像5
[画像5]
(画像をクリックで拡大)

というわけで、ほぼ真ん中に写っていました。

ここに示した星と等級を見てわかると思うんですが、今現在、海王星の周りにはほんとに暗い恒星しかありません。

何回か書いたことがあると思うのですが、奈良公園で星を見る場合、東側は光害の影響も比較的少なく、星も綺麗に見えますが、それでも4~5等級の星を肉眼で見分けるのはまず無理(私の目が悪いだけ?)。

ちなみに先日の記事で書いた天王星と同じく、Stellarium で海王星の今後の動きをシミュレートしてみると、この後みずがめ座からうお座を通過し、すばる(プレアデス星団)に近づく2050年ごろまでは似たり寄ったりな状況のようです。他の明るい惑星と近づく時期(例えば2017年1月に火星と金星が海王星の近くにくる)はあるみたいですけどね。

海王星付近でトリミングしてみた
画像6
[画像6]

現像時にコントラストを上げたり彩度を上げたり色々弄ってますが、海王星の青緑色が分かりますかね?

海王星の上のあたりに示したように、9等星も写っていました。この写真を等倍で見ると、10等星もかろうじて写っていたのですが、どうやら私の機材ではこの辺が限界のようです(つまり現在14等級の冥王星は無理。そもそも冥王星を観測するにはそれなりの望遠鏡が必要)。

ちなみにこの写真ですが、カメラの固定が甘かったみたいで、微妙に光跡が歪みました・・・(笑) 今後は気を付けたいです。

画像7
[画像7]
(画像をクリックで拡大)

画像4撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)。

この時間帯なら、フォーマルハウトを撮影した後に、徐々にレンズを上にズラしつつ数枚撮影すれば、たぶん海王星が画角内に収まるはず。

画像8
[画像8]
(画像をクリックで拡大)

同じく画像4撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)ですが、画像6に対応する形で海王星付近に寄ってみました。

画像9
[画像9]

こちらは画像1を撮影した日にみずがめ座σ付近を撮影したもので、トリミングしています。海王星などを強調するためにコントラスト等も結構いじっています。

住宅街ゆえに光害の影響が少なからずあったのと、この日は薄雲が流れている等、コンディションがあまり良くなかったので、こんな程度の写りでした。でもこれで分かるのは、奈良市市街地でも晴れていれば何とか写すことができるという事ですね。

というわけで、海王星については以上です。

小惑星ベスタと土星
画像10
[画像10]

さて、海王星と異なり土星のすぐ近くにいて分かりやすかった小惑星ベスタも撮ってみました。こちらは2014年9月14日19時24分の撮影です。撮影地は興福寺境内。

海王星の記事作成で力尽きたので(笑)、写真はこの1枚で。

ベスタについての詳細は下記で。

ベスタ (小惑星) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%B9%E3%82%BF_(%E5%B0%8F%E6%83%91%E6%98%9F)
ISAS | 第12回:宇宙の麗人 惑星になれなかった惑星 ― 小惑星ベスタ / 宇宙の○人
http://www.isas.jaxa.jp/j/column/famous/12.shtml

Stellarium によるとこの日のベスタの光度は 7.03 ということで、海王星よりも明るいですね。ただ、高度が少し低かったのと、方角が興福寺から南西なので、光害の影響が大きく、あまりクリアには写りませんでした。

小惑星といえば昨年2月に地球へ接近して話題となった 2012DA14 を撮影したことがあります。

奈良公園で星見 vol.5 小惑星2012DA14
http://naraphoto.blog.jp/archives/2302894.html

画像11
[画像11]
(画像をクリックで拡大)

画像10撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)。

というわけで、今回の海王星で惑星の撮影はコンプリートしたことになります! そしてこの機会に惑星ごとのタグも作成しました。

水星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E6%B0%B4%E6%98%9F
金星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E9%87%91%E6%98%9F
火星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E7%81%AB%E6%98%9F
木星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E6%9C%A8%E6%98%9F
土星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E5%9C%9F%E6%98%9F
天王星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E5%A4%A9%E7%8E%8B%E6%98%9F
海王星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E6%B5%B7%E7%8E%8B%E6%98%9F

それから下記のタグも追加してみた。

小惑星
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E5%B0%8F%E6%83%91%E6%98%9F
カノープス
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E3%82%AB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%B9
星食(日食や月食、その他の星食)
http://naraphoto.blog.jp/tag/%E6%98%9F%E9%A3%9F

春夏秋冬の大三角・四辺形をコンプリートした時にも書きましたが、これまでは撮る事に重きを置いてきた面があるので、今後は写真の質を上げて行きたいです。

※他の天体写真は「天体写真」タグからどうぞ。

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