2014年10月8日の皆既月食
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先日の「奈良公園で星見 vol.32 皆既月食(2014.10.08)」でチラッと予告していた天王星について、記事を作ってみました。

このように今回は少しマニアックな内容になっています。興味のない方、スイマセン。

この写真は上記リンク先にある写真と同じように、興福寺五重塔と皆既月食を撮った際に天王星も写しこんだものです(実は星だけの写真を撮り忘れていた・・・ので、今回は五重塔とともに写った写真を載せています)。

2014年10月8日の興福寺にて、300mm相当の画角(フルサイズ換算、以下同じ)で撮影。

説明入り
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こんな感じで皆既食中の月のすぐそばにいることから、木星や土星などの明るい惑星と異なり、暗くて見つけにくく、普段あまり見る機会のない天王星を見る絶好の機会であるという解説をネット上で見かけた方も多かったのでは。

そんなん知らんかったという方も、当日撮った写真を見返してみると、天王星が写っているかもしれないですよ。

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画像1撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)。

2014年9月13日の天王星
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奈良公園にて、218mm相当の画角で撮影。

さて、こちらは皆既月食の1か月近く前に撮影したものですが、天王星はどこにあるのでしょう・・・といっても分からないと思うので、次の画像に主な星の名前などを書きました。

説明入り
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画像2にも うお座ε とうお座77番星 が写っていたので、大体の位置関係は分かるかと思います。

皆既食中の月がいないと、今はうお座を目印にして天王星を探すことになるんですが、うお座は暗い星で構成されているので、慣れるまでは難易度が少し上がりますね。

ですが、うお座の形さえ把握できれば、それほど難しくはないです。

ちなみに天王星の光度は6等級なのでギリギリ肉眼で見えるとされる明るさですが、奈良公園からは肉眼での確認はできません。

というか、星の綺麗に見える場所に行ったとしても、天王星を肉眼で見分けられる人っているんだろうか・・・。

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画像4撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)。

2012年9月15日
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奈良公園で撮影。

これは Powershot G11 で撮影したもの。これまでの写真は望遠レンズで撮ったものですが、こちらは28mm相当の画角で撮影したもの。

これにも天王星が写っています。そして約2年前の撮影ですので、今とは天王星の見た目の位置がちょっと違います(うお座の近くにいるのは同じですが)。

説明入り
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天王星はうお座44のすぐ近くに。

この時から2014年10月8日の皆既月食の時(画像1~3)までに、うお座εの近くにまで移動していたということになりますね。惑星観測の面白いところともいえるかも。

Stellarium でシミュレートしてみると、この後の天王星は、うお座を横切り、おひつじ座とくじら座の間を抜けて、すばるの近くへと移動(一番近づくのは10年後ぐらい)していくようです。すばるの近くなら見つけやすそうですね。

また、2014年10月8日(皆既月食の日)に天王星は衝となりました。「衝」という言葉は聞きなれないと思いますが、要は太陽・地球・天王星の順に一直線に並んだ状態になったということです。

ここで、うお座εと天王星(更にこの2つの星のちょうど中間あたりにある星)の位置関係を、画像2と画像5でよく見比べてみると、天王星が不思議な動きをしている事が分かります。

分かるんですが、説明し始めると長くなるし、ヒントとなるページだけ紹介しておきます。内容的には中学か高校の理科の話です。

天王星がうお座で衝 2014年10月8日 -つるちゃんのプラネタリウム
http://homepage2.nifty.com/turupura/new/2014/new1410_01.html
外惑星の合と衝
http://www.hirahaku.jp/hakubutsukan_archive/tenmon/00000050/35.html
順行・逆行 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%86%E8%A1%8C%E3%83%BB%E9%80%86%E8%A1%8C
惑星
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/uchu/wakusei-01.htm
趣味:内惑星と外惑星
http://homepage2.nifty.com/luminaries/guidance/uchuu_013.htm

一番分かりやすいのがNHKのこの動画ですね。火星も天王星と同じで外惑星なので、理屈は同じです。

星をみる~火星の動き|10min.ボックス理科1|NHK for School
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005100013_00000

(いつまでこの動画が配信されているのかは知りません)

ちなみに余談ですが、画像8に写っているくじら座のミラ(ミラ (恒星) - Wikipedia)は有名な変光星で、明るさが約332日周期で約2~10等の間で変化するのですが、この時はくじら座α星のメンカル(2.50等)よりも明らかに暗く、周りの4等星と似たような明るさのように見えますね(もっとも、現像作業時などに色々弄っているので、この画像から光度を読み取るのは少し無理はありますが)。

天王星の近くを拡大
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画像8から天王星の辺りをトリミングして抜き出しました。緑色の文字・数字がうお座で、オレンジ色がくじら座の星です。

画像10
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画像7撮影時と同時刻のシミュレーション(Stellarium のキャプチャ)。

というわけで、望遠鏡も望遠レンズも無くても、コンパクトカメラのしかも広角でも天王星を撮影することは可能なんですよね。

望遠レンズだと画角内に天王星を入れるのが大変で、広角レンズだと撮った後に天王星を特定するのが大変な作業になりますが。

というわけで、今回は少しマニアックな、奈良公園界隈での天王星の撮影についての記事でした。

次はいつもの星景写真に戻ると思いきや、次回の「奈良公園で星見」では更にマニアックなところ(撮りにくさという意味で)へ踏み込みます・・・(笑)

明後日更新予定。

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